2024.3「体温」
3/1
・夜中に目がさめる。ここにいるのが誰なのか、ほんとうにわからない。まったくの謎だ。
ここにいるのは誰なのだ?
3/4
・ヘラクレイトスの『断片集』を読む。
「太陽は人間の足の幅である」
ダグラス・ハーディングの定規の実験とそっくり。ヘラクレイトスも、あたりまえなことに驚くことができた人だったんだナア。
3/7
・夢日記。やけに霊的な夢をみた。
青い龍の背中に乗せてもらって、修行に出る。たくさんの生きものが住む島のようなもの、になるための修行らしい。
「修行は厳しいぞお」
そう言ってくれた龍の、深くやさしい声。
3/9
・お昼前、やさしい愛の感覚。
・寝ようと目をつむると宇宙がみえた。
3/10
・朝から静謐な感じだ。
お昼になっても、慈愛とやさしさがずっと響いてる、流れてる。こんなになるのは、はじめて。
不思議ねえ。
以前、道教の寺院に参拝する夢をみたあと、母性的なエネルギーに包まれたことがあった。あのときと同じ感じだ。あれは特別なことじゃなくて、いつでも流れているものだったんだ。
桃源郷というのは、どっか遠い場所のことじゃないのね。
3/11
・布団のなかで呼吸を感じていると、すぐ目の前に星空が広がっているよう。
なにかのプロセスが進行中。
3/12
・フラワー・オブ・ライフ関連のことを目にするのは、ここ最近で4回目。
10代の頃、目を瞑るといろんな幾何学模様がみえるようになって困った時期があったけど、ようやく受け止められるだけのちからが育ってきたのかしら。
・こころのなかで、たくさんの鐘が鳴っている。もう先が長くないことをぼくに告げている。
3/14
・いま生きていることが愛おしい。
終わりゆくときの寂しさ。
ちゃんと生きよう。
3/16
・夜。同じ日々が続かないことを感じながら、家族と食卓を囲んでいる。
3/17
・お昼前、「自分」というのが、光の陰影のようにおもえる。
今月に入ってから、ときどき、この感じになる。
肉体というかたちをとることができるのは、ほんのわずかのあいだだと、そんなささやき声を聞くよう。
いま生きていることが愛おしい。
・なんだか祈りたい気持ち。
3/18
・夜、and so this is christmasという歌詞を思い出す。ジョン・レノン。戦争のことをおもう。祈る。
3/19
・夢日記。某国が自滅的なことをしてる夢。また戦争がらみ。
・学者にならなくてよかったかも、と最近おもう。ぼくがほんとうに知りたいことは、解明するものではなかったんだ。ただそっと手をあわせるもの。
3/20
・夢日記。夢から、こちらの世界へと意識を保ったまま降りてきたのは、はじめてかも。
夢の〈自分〉から、こちらの世界の〈自分〉へとアイデンティティが移り変わってゆく様子がおもしろかった。
・朝から祈る。連綿と続いてきた透明な祈りのようなものを感じる。
3/21
・夢日記。また戦争の夢。
・朝、目がさめて、もう少しこの世にいたいなあ、とおもう。
3/25
・明け方に目がさめる。壁も布団も机も意識でできているということが、いまはなぜかあたりまえにおもえる。布団の感触も、この思考も。
ということは、わたしは意識ではない、ということか。
新聞配達の音。朝のしずけさ。この世界が愛おしくて抱きしめたくなる。
雨音が福音のよう。涙が流れる。
巨(おお)きな河が流れ込んでくる。
ぼくはいままで、なんと自分を小さく考えていたことか。
いのちというのは、なんておおきく、ゆたかで、ふくよかに笑うものだろう。
時は永遠。法隆寺の佇まいに似て。
紫のとてもいい香りがする。
3/27
・なんかうまくいえないけど、この世はぼくがおもうより、はるかにはるかに、さまざまな色合い、深み、があるんだろうなあ。
まだ感じたことのない感情。出会ったことのない瞳の色。遠い星の思い。
どこまでも透きとおって、どこまでも未知だ。
吸い込まれそう。
3/28
・夢日記。非人道的な人体実験(?)が行われている収容所から脱出する、という夢。
目がさめると、恐怖で体が硬直している。根源的な恐怖、という感じ。
これ、自分がモノ(物体)として扱われることからくる恐怖だ。自分自身をモノだと思い込むことからくる恐怖だ。
歴史上のあれやこれやも、ここからきているのか。そうおもったとき、かたく決意した。自分とも、他のあらゆる存在とも、スピリットとして接していこう。
3/29
・〈わたし〉はいままで一度も動いたことがなかったんだ、と気づいたのは、昨日、寝るときのこと。
今日もそう。〈わたし〉は動いていないのに、階段を登っている。息も少し切れて。
ふきつける雨、風のつめたさ、朝の通勤電車。風景が、まるで絵巻物のようにひらいてゆく。
以前、世界が紙のように(2次元っぽく)みえたことが何度かあったのは、こういうことだったか。
3/31
・夜、空気がやわらか。ゆったりした小説を読んだあとのような。
自分がこういうオトナになるとはおもわなかった。オトナというのは、もっと、ものを知っているものだとおもっていた気がするけれど。
いつの間にか、わからないということに親しみと敬意を覚えるようになっている。わからないということが、いのちの体温なのかもしれないね。