2026.3「飾ること」

3/1

・いつもの公園の、木立の存在感に打たれる。


3/2

・自分を先導する者のプレゼンスを感じる。流れだ。


3/4

・4時半に目が覚める。思考が、降る雪のように舞ってはとけていく。

 深いところで河が流れている。

 圧倒的なちから。


3/5

・夢日記。夢の中でおじさんに会って、言われた。

 「きみはたくさんの人から人気がある。その意味を考えなさい」みたいな。

(「人気」なんて言葉、自分ではふだん使わないから、そこだけよく覚えてる)

 夢のなかでガイダンスを受けた感じ。

・言葉っていいな。その人の暮らしが音になって紡がれてゆく。


3/6

・寝るまえ、目をとじると、一面の水面が見える。


3/7

・世界が自分の内面におもえる。

・見える風景には手触りがある。遠くに見える建物にも、ちかくにみえる樹にも。

・夜中に目がさめてすごくさみしくなった。

 人間であることのさみしさ。

 もたれかかってみる。人間でないものに。


3/8

・やっと泣けた。

・夕方、また感じる。引力のようなちから、流れ。

 またあの女性(ひと)のことを思い出す。顔も思い出せない、おそらく今生では会っていない、けど、なにか約束をしたことがある気がする。


3/11

・こうやって風景が見えているという、そのあたりまえのことの味を知るのに、四十年ぐらいかかった、ということか。


3/12

・夢日記。異世界で冒険してる感じの夢。

 夢が以前とは変わってきた。


3/13

・車内の乗客たち、車窓の向こうの街並み。

 これをなんと言えばいいのだろう。生きている、生きているっていう。。。

 むかしのひとは、こういうのを「うた」と呼んだのかもしれないな。

 Noaのアヴェ・マリアを思い出す。この戦火のなか、進んで歌を歌うひとがほしい、と。

・かえりみち、建物がひかりでできているようにおもえる。

 建築に挫折した二十代の頃、光でできた建築をつくりたい、でもそういう素材が地球上にないとおもっていた。

 なんのことはない、いますでにひかりでできているのだ。


3/16

・世界は生きている。バラバラのモノがあって、そのなかを人間が縫うように生きているみたいな、そんなふうにはなっていない。

 この風景の全体が一個の意志だ。

・ランチ。お客さんがベーシック・インカムについて話してる。


3/19

・この見えている世界。明晰夢を生きているような。


3/22

・エネルギーがからだのなかを動きまわって、おさえがたく、苦しいくらい。それが通訳の講座に申し込んだら落ち着いた。

 春のエネルギーは、自身の行き先を知っているらしい。

・うれしいのか苦しいのかわからないような涙。

・そうだったんだ! 夜中に感動して眠れない。

 いま生きている世界がまさに物語の世界じゃないか。人間になったり、精霊になったり、植物になったり、鉱物になったり。

 この世界のいろいろな分野のなかのひとつとして、芸術とか文学があるんだとおもってた。そうじゃない! いま生きている世界そのものが、そうなのだ。

 いままでなんて狭く狭く考えていたのだろう。


3/23

・うれしさがしゅわしゅわしてる。

 ちょっと抜けたかな、苦しいところを。


3/24

・芝生にすわり目を閉じていると、遠いむかしに住んでいた部屋がみえる。

 海の近くで誰かと住んでいた、そんな頃がぼくにもあったらしい。

・お花見して、ショッピングして、おみやげを買って帰って。

 こんな「ふつう」な感じに、ながいあいだ憧れていた気がする。

 うれし涙。かえりの電車で。


3/28

・魔女と会う。手作りの丁寧な暮らしぶり。

 こっちの方向に行きなさい、というイメージを見せてくれている感じ。


3/30

・先々週ぐらいからか、からだが変わってきた。より繊細に。

・世界にどうしてこんなに色があふれ、いろんな言語があるの?

 世界は、神さまの手になる飾りだ。

 色も形もないものが、色や形で自身を飾っている。


3/31

・いままで、これが自分だ、とおもってたかたちがまた少しずつ崩れてく。粘土が溶けていく感じというか、涙が全身ににじむ感じというか。

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